はじめに:集計結果を「生きた情報」に変える
ピボットテーブルを使って、複雑なクロス集計を一瞬で完了させることができました。しかし、集計表だけでは、データの傾向を一目で捉えることは難しいです。
データ分析では、集計と同時に可視化を行います。特にピボットテーブルと連動するピボットグラフは、その強力な連携機能により、集計結果を「生きた動的な情報」へと進化させます。
今回のクエストでは、このピボットグラフの作成とカスタマイズをマスターし、あなたのレポートの分かりやすさと説得力をもう一段階引き上げましょう!

ピボットグラフとは?通常のグラフとの決定的な違い
ピボットグラフは、ピボットテーブルのデータと完全に連動しているグラフです。これが通常のグラフと比べて決定的に優れている点です。
| 特徴 | ピボットグラフ | 通常のグラフ |
| 元データ | ピボットテーブルの集計結果 | 元データまたは手動で集計した範囲 |
| 柔軟性 | ピボットテーブルを操作するだけでグラフが瞬時に変化・更新される | 元のデータ範囲やグラフの種類を手動で変更する必要がある |
| フィルター | ピボットフィールドやスライサーが利用可能 | フィルター機能は限定的 |
つまり、ピボットグラフは、集計表の構造(行・列)が変わるたびに、グラフも自動で再構成される最強の動的グラフなのです。
Step 1: ピボットグラフの簡単な作り方
ピボットグラフを作成するのに、複雑な操作は必要ありません。
1. ピボットテーブルが必須
必ず、すでにピボットテーブルが作成されているシートから始めます。ピボットグラフは、ピボットテーブルの子分のような存在であり、単独では存在できません。
ピボットテーブルの作成方法はこちらの記事をチェックしてください。
2. 挿入タブからの作成手順
- ピボットテーブル内のどこか一箇所をクリックする。
- メニューの「挿入」タブを開くか、「ピボットテーブル分析」タブにある「ピボットグラフ」をクリック。
- 表示されたダイアログボックスから、分析目的に合ったグラフの種類(例:棒、折れ線)を選択し、「OK」をクリック。
これで、ピボットテーブルの集計結果を反映したグラフが瞬時に作成されます。
Step 2: ピボットグラフの動的な操作を体感する
グラフができたら、ピボットテーブルと連動させて動かしてみましょう。
1. フィールドリストで瞬時にグラフを変更
ピボットグラフをアクティブにすると、右側に「ピボットグラフのフィールド」が表示されます。
- 行に入っている項目を列にドラッグ&ドロップしてみてください。
- ピボットテーブルがクロス集計に変わり、グラフも瞬時に再構成されます。
このように、グラフの見た目(横軸、凡例など)をフィールドリストから直接操作できるのが、ピボットグラフ最大のメリットです。
2. スライサーやフィルターで一時的に絞り込む
グラフの軸の近くにある「フィールドボタン」(例:「地域」や「商品カテゴリ」)をクリックすると、通常のピボットテーブルと同じようにチェックボックスでデータを絞り込むことができます。
- 例:スライサーで「東京」と「大阪」のチェックだけを外すと、その2地域のデータがグラフから一時的に消えます。
- 例:ピボットテーブルのフィルターから「スポーツ」「ファッション」のチェックを外すと、その2つ以外のグラフになります。
これは、プレゼンテーション中に「この地域だけを除外するとどうなる?」といった質問に瞬時に対応できることを意味します。
スライサーの作成方法はこちらの記事で解説しています。
まとめ:今日のクエスト報酬
集計結果を瞬時に可視化する「ピボットグラフ」を習得!
- ピボットグラフ: ピボットテーブルと完全に連動し、操作に応じて自動更新されるグラフ。
- 動的な操作: フィールドリストからグラフの軸を簡単に変更でき、フィルター機能も使える。
- レポートへの進化: フィールドボタンを非表示にすることで、レポートとしての完成度を高められる。





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