Level4 データ分析|クエスト5

グラフやピボットテーブルは作れるようになりました!
でも、結果のどこを見て、何を考えればよいのでしょうか?
Excelでグラフやピボットテーブルを作成すると、多くのデータを見やすく整理できます。
しかし、集計表やグラフを作成しただけでは、データを分析したことにはなりません。
大切なのは、表示された結果からどのような傾向や違いがあるのかを読み取り、その結果になった原因を考えることです。
分析結果を見るときは、まず全体の増減や項目ごとの差を確認します。ほかのデータから大きく離れた異常値があれば、元データや関連情報も確認しなければなりません。
ただし、グラフや集計表から読み取れるのは、数値として表れている事実です。
「売上が減っている」という事実を確認できても、「担当者が不足していたから売上が減った」と、グラフだけで原因まで断定することはできません。
データから直接分かる事実と、原因について考えられる推測を分け、推測が正しいかを確かめるために、次に確認する内容を決める必要があります。
この記事では、Excelの集計結果やグラフを見るときの基本的な順番を確認します。
集計表やグラフから傾向・違い・異常値を読み取り、データから分かる事実と原因の推測を分けて、次に確認する内容を考えられるようになりましょう。
分析結果を見る基本の順番
集計表やグラフには、さまざまな数値が表示されます。
最初から細かい数値や原因を調べ始めると、重要な変化を見落としたり、一部のデータだけで判断したりする可能性があります。
分析結果を見るときは、次の順番で確認しましょう。
- 全体の傾向を見る
- 項目ごとの違いを比べる
- 異常値がないか確認する
- データから分かる事実を整理する
- 原因の候補を考える
- 次に確認する内容を決める
1.全体の傾向を見る
傾向とは、データ全体に見られる共通した動きです。
まずは、データ全体がどのように動いているのかを確認します。
主に確認するのは、次のような変化です。
- 数値が増加している
- 数値が減少している
- 大きな変化がなく、横ばいになっている
- 上昇と下降を繰り返している
- 特定の時点から動きが変わっている
一度だけ数値が増減した場合は、全体の傾向とは限りません。複数の期間を通して同じ動きが続いているか確認することが大切です。
たとえば、月別売上が3か月続けて減少していれば、継続的な減少傾向があると読み取れます。
この段階では細かい原因を考えず、まずはデータ全体の動きをつかみます。
2.項目ごとの違いを比べる
全体の傾向を確認したら、担当者・商品・店舗・期間など、項目ごとの数値を比較します。
次の点を確認しましょう。
- 最も高い項目と最も低い項目
- 項目ごとの差
- ほかと比べて大きく離れている項目
- 前の期間から大きく変化した項目
単に順位を見るだけでなく、どのくらいの差があるのかを具体的な数値で確認することが大切です。
たとえば、担当者Aの売上が45万円、担当者Dの売上が25万円なら、両者には20万円の差があります。
ただし、比較するときは、期間や対象などの条件がそろっていることも確認してください。
3.異常値がないか確認する
異常値とは、ほかのデータと比べて極端に大きい値や小さい値です。
異常値が見つかった場合は、次の可能性を考えます。
- 実際に大きな注文や特別な出来事があった
- キャンペーンや値下げの影響があった
- 営業日数や集計期間が異なっていた
- 数字の桁や単位を間違えて入力した
- 同じデータを重複して入力した
- 必要なデータが入力されていなかった
普段の売上が10万円から20万円程度であるのに、1件だけ150万円になっていれば、その数値は詳しく確認する必要があります。
ただし、異常値は必ずしも誤入力とは限りません。
大口注文やキャンペーンなどによって、本当に大きな売上が発生した可能性もあります。
異常値は間違いとは限りません。修正や削除をする前に、元データや関連資料を確認しましょう。
空白・重複・表記ゆれなど、元データの確認や修正についてはこちらをご覧ください
4.データから分かる事実を整理する
傾向・違い・異常値を確認したら、集計結果から直接分かることを整理します。
たとえば、次のような内容です。
- 7月の売上が最も高い
- 4月の売上が最も低い
- 商品Aの売上が商品Bより15万円高い
- 8月から9月にかけて売上が10%減少している
この段階では、原因を含めず、数値から直接確認できる内容だけを整理します。
分析結果を整理するときは、「高い」「低い」「大きく減った」などの曖昧な表現だけで終わらせず、根拠となる数値を加えます。
- いつ:対象となる日付や期間
- 何が:担当者・商品・店舗などの対象
- いくら:売上金額や件数
- どの程度:前回との差や増減
- 何と比べたか:前月・前年・ほかの商品などの比較対象
曖昧な表現
7月は売上が高かった
具体的な表現
7月の売上は60万円で、6月の45万円から15万円増加した。
比較する際の条件は統一するようにしましょう。
5.原因の候補を考える
事実を整理したあとに、なぜその結果になったのかを考えます。
売上が減少した場合でも、考えられる原因は1つとは限りません。
- 来店客数が減った
- 商品の販売件数が減った
- 商品単価が下がった
- 営業日数が少なかった
- 在庫切れが発生した
- 売上データの入力が漏れていた
この時点では、どれも原因として確定していません。
グラフや集計表だけで原因を断定せず、確認が必要な原因の候補として扱います。
6.次に確認する内容を決める
原因の候補を考えたら、その推測が正しいかを確かめるために必要な情報を決めます。
たとえば、売上減少の原因として販売件数の低下を考えた場合は、月ごとの販売件数を確認します。
在庫切れが原因だと考えた場合は、在庫記録や欠品期間を確認します。
すべての情報を一度に調べるのではなく、確認しやすく、結果への影響が大きいと考えられるものから調べましょう。
事実と原因の推測を分ける
分析結果を見たときは、データから確認できる事実と、その結果になった原因の推測を分けて考えます。
事実と推測を混同すると、根拠を確認していない原因を正しいものとして扱ってしまう可能性があります。
事実はデータから直接確認できる
事実とは、集計表やグラフに表示された数値から直接確認できる内容です。
たとえば、次の内容は事実として整理できます。
- 4月の売上がほかの月より低い
- 商品Aの売上が前月より10万円減少した
- 担当者Bの販売件数が最も多い
- 1件だけ通常より大幅に高い売上がある
これらは、元データや集計結果を確認すれば、同じ内容を確かめられます。
原因は追加確認が必要な推測
原因とは、その結果が生じた理由です。
たとえば、4月の売上が低かった場合、次のような原因が考えられます。
- 営業日数が少なかった
- 来店客数が減った
- 商品が欠品していた
- 担当者の勤務日数が少なかった
- 売上データに入力漏れがあった
ただし、集計表やグラフだけでは、どの原因が影響したのか判断できません。
勤務記録・在庫記録・販売件数などを確認していない段階では、いずれも原因の候補です。
事実・原因の候補・確認内容を分ける
分析結果は、次の3つに分けて整理すると、事実と推測を混同しにくくなります。
事実
データから直接確認できること
原因の候補
結果に影響した可能性があること
次に確認する内容
原因を確かめるために必要な情報
たとえば、次のように整理します。
- 事実:4月の売上は30万円で、6か月の中で最も低い
- 原因の候補:営業日数や来店客数が少なかった可能性がある
- 次に確認する内容:4月の営業日数と来店客数を確認する
原因の候補は、1つに絞る必要はありません。
複数の可能性を挙げ、関連する情報を確認しながら、影響した原因を絞り込みます。
原因を確かめるために次の確認内容を決める
原因の候補を挙げたら、その原因が実際に影響しているかを確かめます。
分析では、もっともらしい原因を考えるだけでは十分ではありません。原因の候補に関係するデータや記録を確認し、推測を裏付ける必要があります。
原因の候補に関係する情報を確認する
次に確認する情報は、原因の候補によって異なります。
たとえば、売上が減少した場合は、次のように整理できます。
- 来店客数が減った可能性:来店客数を確認する
- 販売件数が減った可能性:商品別の販売件数を確認する
- 商品単価が下がった可能性:平均単価や値引き額を確認する
- 営業日数が少なかった可能性:営業日数を確認する
- 商品が欠品していた可能性:在庫や欠品の記録を確認する
- 入力漏れがあった可能性:元データや売上記録を確認する
このように、原因の候補と確認する情報を対応させることが大切です。
確認しやすい情報から調べる
考えられる原因を、すべて同時に調べる必要はありません。
まずは、次の条件に当てはまる情報から確認します。
- すぐに確認できる
- 集計結果への影響が大きい
- 社内に記録が残っている
- 数値で比較できる
- 原因の候補を絞り込みやすい
たとえば、売上が減少した場合は、最初に販売件数と平均単価を確認すると、「売れた数が減ったのか」「1件当たりの金額が下がったのか」を切り分けられます。
確認結果から判断を見直す
追加の情報を確認しても、最初に考えた原因が正しいとは限りません。
たとえば、売上が低い月について来店客数を確認した結果、来店客数が変わっていなければ、客数の減少だけでは説明できません。
その場合は、次のような別の情報を確認します。
- 販売件数
- 商品別売上
- 平均単価
- 値引き額
- 返品やキャンセル
- 欠品の有無
確認した結果に合わせて、原因の候補を追加・修正しましょう。
次の行動につなげる
原因をある程度絞り込めたら、必要な対応を考えます。
- 販売件数が減っている:商品別の販売状況を確認する
- 平均単価が下がっている:値引きや販売商品の変化を確認する
- 欠品が発生している:在庫数や発注方法を見直す
- 入力漏れがある:元データを修正して再集計する
分析の目的は、原因を考えることだけではありません。確認した結果を、改善や追加調査などの次の行動につなげることが重要です。
分析結果を根拠とともに伝える
分析結果は、自分だけが理解できればよいものではありません。
上司や同僚など、データを詳しく見ていない人にも判断できるように、結論と根拠を分けて伝えることが大切です。
「売上が低かった」「商品Aが好調だった」という結論だけでは、どの数値をもとに判断したのか分かりません。
分析結果を伝えるときは、次の3つに分けて整理しましょう。
- データから分かる事実
- 考えられる原因の候補
- 次に確認する内容
事実は具体的な数値で伝える
事実を伝えるときは、判断の根拠となる数値を示します。
曖昧な表現
4月は売上が低迷しました。
具体的な表現
4月の売上は30万円で、前月の42万円から12万円減少しました。
後者であれば、どの期間を比較し、どの程度変化したのかが分かります。
次の内容を含めると、結果が伝わりやすくなります。
- 対象となる期間や項目
- 実際の金額や件数
- 比較した数値
- 差額や増減量
- 必要に応じて比較条件
原因は候補として伝える
確認が終わっていない原因は、断定せずに候補として伝えます。
断定して伝える
4月は来店客数が減ったため、売上が低下しました。
原因の候補として伝える
4月の売上低下には、来店客数の減少が影響した可能性があります。
「可能性がある」「影響したと考えられる」などの表現を使うと、確認済みの事実と推測を区別できます。
ただし、曖昧な表現を付ければよいわけではありません。なぜその原因を考えたのか、判断につながった情報も示しましょう。
次に確認する内容を示す
原因を確定できていない場合は、今後確認する内容も伝えます。
たとえば、次のように整理します。
事実:4月の売上は30万円で、前月より12万円減少した。
原因の候補:来店客数または販売件数の減少が影響した可能性がある。
次に確認する内容:3月と4月の来店客数、販売件数、平均単価を比較する。
この形なら、分かっていることと、まだ確認が必要なことを区別できます。
分析結果を伝えるときは、文章だけでなく、判断に使用したグラフや集計表も一緒に示すと理解しやすくなります。
グラフを掲載するときも、結論を相手に探させるのではなく、重要な事実を文章で添えます。
これで、分析結果を確認する基本的な流れは完了です。
まとめ|分析結果から事実と原因を考えよう
Excelで集計表やグラフを作成したあとは、表示された結果から傾向や違いを読み取ります。
ただし、数値の変化を見つけただけで、原因まで判断できるとは限りません。
データから直接分かる事実と原因の推測を分け、推測を確かめるために次に確認する内容を決めることが大切です。
- データは全体像から分析開始
- 事実と原因を分けて考える
- 原因の候補を考える
- その原因の裏付けを考える
- 分析を改善行動に活かす
次のクエストへ進もう
ここまでのクエストでは、データを分析するために必要な次の内容を学びました。
- データ分析前の前処理
- 通常のグラフによる可視化
- ピボットテーブルによる集計
- ピボットグラフによる可視化
- 分析結果の読み取り
次は、Level4で学んだ内容を組み合わせて売上データを分析する、Level4の試練へ進みます。
元データを確認し、目的に合った方法で集計・可視化したうえで、データから分かる事実と次に確認する内容を整理しましょう。
Level4の学習順序を確認したい方は、Level4攻略フローをご覧ください。





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