【エクセルデータ分析】集計に必須の5つの関数まとめ

Level4 データ分析

はじめに:手作業を終わらせる「集計の自動化」

毎日の業務で行う「合計」「平均」「個数」の計算。これを手作業でやっていると、時間がかかる上にミスも発生します。

データ分析の基本であり、自動化への第一歩は、この集計作業を関数で完全に自動化することです。関数とは、Excelにあらかじめ用意された「計算のレシピ」であり、一度設定すればデータが変わっても結果が自動で更新されます。

この記事では、事務作業で特に利用頻度の高い2つの基本系2つの応用系の集計関数をマスターし、集計作業時間を劇的に短縮します。

今回のクエストはこちら。


1. 【基本系】単純な計算を瞬時に行う2つの関数

まずは、条件なしで、指定した範囲のデータをそのまま集計する基本中の基本となる3つの関数です。

関数名目的実務での使いどころ
SUM数値の合計を求める。今月の全支店の売上総額プロジェクト全体の経費合計
COUNT数値が入っているセルの個数を数える。納品が完了したアイテムの件数回答があったアンケートの件数

💡 COUNTとCOUNTAの違い COUNT数値のみを数えますが、COUNTA空白以外のすべてのデータ(文字、数値、日付など)を数えます。例えば、社員名簿の人数を数える場合は、文字も数えられる COUNTA を使うと便利です。

それぞれの関数はこちらの記事をご覧ください。

なお、エクセルクエストでは平均の算出にAVERAGE関数を利用しません。

覚えるものを最小限にしたいので、SUM関数とCOUNT関数を組み合わせましょう。


2. 【応用系】特定の条件を絞り込む関数

実務での集計のほとんどは、「特定の条件に合致したものだけ」を計算する応用系関数を利用します。これが使えるようになると、集計の質が飛躍的に向上します。

COUNTIFS / SUMIFS :単体・複数の条件で集計する

条件が1つでも複数でも利用できる関数です。

  • 構文のイメージSUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 検索条件1, 条件範囲2, 検索条件2, ...)
  • 実務事例関東地方」かつ「家電カテゴリ」の売上合計2024年」かつ「Bランク」の顧客の件数

📌 COUNTIFS / SUMIFS のコツ 複数の条件を指定できるため、まず最初に**「合計したい範囲」**(SUMIFSの場合)を指定し、その後に「条件のセット」をいくつでも追加していく、と覚えると分かりやすいです。

基本形と同様に、暗記を最小限にするためAVERAGEIFS関数は利用しません。


3. 【応用テクニック】エラーを回避し、集計を確実にする

集計関数を使う上で、初心者が必ずぶつかる壁が「エラー表示」です。これらのエラーを回避する関数をあらかじめ組み込むことで、集計表の信頼性が向上します。

IFERROR:エラー発生時でも集計表を崩さない

  • 目的: 割り算などでエラー(#DIV/0!など)が出た場合に、代わりに指定した文字を表示させる。
  • 構文のイメージIFERROR(関数の式, エラー時に表示したい値)
  • 実務事例: 平均値を計算する際、データが1つもない(分母が0になる)場合に、エラーを隠して**「-」「0」**を表示させ、見やすい集計表にする。

IFERROR関数についての記事はこちらをご覧ください。

絶対参照($):関数をコピーしても参照先を固定する

  • 目的: 関数を他のセルにコピー&ペーストしても、参照先のセルを固定したいとき。
  • 方法: 固定したい列や行のアルファベット・数字の前に $(ドルマーク)をつけます。
  • 実務事例: 基準となる「消費税率」「予算額」が入力された単一のセルを、集計表全体にわたって参照したい場合。

「$」の利用方法についてはこちらをご確認ください。


今回のクエストを終えて

関数による集計を習得!

集計に必須のこれらの関数を使いこなせば、データ分析の基礎を固め、日々の集計作業を完全に自動化できます。

  • 基本関数で全体のボリュームを把握し、
  • 条件付き関数で必要なデータだけを抽出する。

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