「VBAのコードって、単語の間にドット(.)がいっぱいあって、まるで呪文みたい……」
そんな風に感じていませんか?
VBAコードには、たった一つの「黄金のルール」しかありません。
それは、私たちが普段使っている日本語の文章と同じで、「主語」と「述語」の組み合わせでできているということです。
今回は、VBAの世界で避けて通れない3つの専門用語
「オブジェクト」「プロパティ」「メソッド」をわかりやすく解説します。
このルールさえ分かれば、初めて見るコードでも「あ、これはこういう意味だな!」と自力で読み解けるようになりますよ!

ドット(.)は日本語の「の」と訳す!
前回、Range("A1").Value = 100 というコードを書きましたね。
この間にある「.(ドット)」こそが、VBAの文法を理解する最大の鍵です。
ドット(.) = 日本語の「の」
これだけで、VBAは暗号ではなく、ただの日本語の文章に見えてきます。
Range("A1").Value→ 「A1セル の 値」Range("A1").Interior.Color→ 「A1セル の 内部 の 色」

オブジェクト・プロパティ・メソッド
そんなことは関係なしに
「の」で繋げると理解できる文になるよ!
VBAの文法はたったの3パターンだけ!
VBAの命令は、大きく分けると以下の3種類しかありません。
この3種類のどれかを「.(ドット)」で繋いでいるだけです。
- 「何に対して」(オブジェクト)
- 「どんな状態にする」(プロパティ)
- 「どんな動作をさせる」(メソッド)
パターン①:対象の指定(オブジェクト)
| 専門用語の読み替え | 項目名 | 日本語訳 | コード例 | 補足(VBAのターゲット) |
| 名詞 | Range | セル範囲 | Range("A1") | 対象となる箱(セル)そのもの |
| 名詞 | Worksheet | シート | Worksheets("データ") | 対象となる作業場(シート)そのもの |
| 名詞 | Workbook | ブック | ThisWorkbook | 対象となるファイルそのもの |
| 名詞 | Application | Excel全体 | Application | Excelソフト全体そのもの |

オブジェクトは「操作対象」だよ。
エクセルを手作業で扱うとき
僕たちが操作しているのは
「セル」「シート」「ブック」が大半だよね。
他にもグラフや図形があるけど
それは必要になった時に学習しよう。
パターン②:状態を変える(プロパティ)
「A1セルの・値を・100にする」のように、セルの性質や中身を書き換えるパターンです。
- コード:
Range("A1").Value = 100 - 文法: 「どこの」.「何を」 = 「どうする」
| 専門用語の読み替え | 項目名 | 日本語訳 | コード例 | コード例の意味 |
| 形容詞 | .Value | 値、中身 | Range("A1").Value | セルに入っている数字や文字 |
| 形容詞 | .Formula | 関数 | Range("A1").Formula | セルに入っている計算式 |
| 形容詞 | .Interior.Color | 内部の色 | Range("A1").Interior.Color | セルの背景色 |
| 形容詞 | .Font.Bold | 太字状態 | Range("A1").Font.Bold = True | 文字が太字かどうか |
| 形容詞 | .ColumnWidth | 列の幅 | Range("A:A").ColumnWidth | A列の幅 |
| 形容詞 | .Count | 数、個数 | Worksheets.Count | 開いているシートの枚数 |
| 形容詞 | .Name | 名前 | Worksheet.Name | シートのタブ名 |

プロパティは「操作対象の状態・特徴」だよ。
セルの「値」や「色」のこと。
1番利用する「Value」だけは覚えておいて!
パターン③:動作をさせる(メソッド)
「A1セルを・選ぶ」「A1セルを・削除する」のように、セルに対して何かアクションを起こさせるパターンです。
- コード:
Range("A1").Select - 文法: 「どこの」.「何をする」
| 専門用語の読み替え | 項目名 | 日本語訳 | コード例 | 補足(手作業のイメージ) |
| 動詞 | .Select | 選択する | Range("A1").Select | マウスでカチッと選ぶ動作 |
| 動詞 | .ClearContents | 内容を消す | Range("A1").ClearContents | Deleteキーを押す動作 |
| 動詞 | .Delete | セルを削除する | Range("A1").Delete | 右クリックで「削除」を選ぶ動作 |
| 動詞 | .Copy | コピーする | Range("A1").Copy | 右クリックでコピーを選ぶ動作 |
| 動詞 | .PasteSpecial | 形式を選択して貼り付け | ...PasteSpecial xlPasteValues | 値だけ貼り付ける動作 |
| 動詞 | .Activate | アクティブにする | Worksheets("集計").Activate | シートのタブをクリックする動作 |
| 動詞 | .Save | 保存する | ThisWorkbook.Save | ファイルを上書き保存する動作 |
| 動詞 | .Close | 閉じる | ActiveWorkbook.Close | ファイルの「×ボタンを押す」動作 |

メソッドは「操作対象に何をするか」だよ。
利用するものは多いけど
「Select」「Activate」「Delete」
をとりあえず覚えておこう!
手作業の実況中継で文法をマスターする
心得である「手作業のスロー再生」を、この文法に当てはめてみましょう。
【手作業:セルの内容を消す】
- スロー再生: 「A1セルの」「中身を」「消す(空っぽにする)」
- VBA(パターン①):
Range("A1").Value = "" - 意味:セルA1の値に「空白」を代入

重要!
これだけは覚えて!
VBAの「=(イコール)」は
「左を右にする」という意味なんだ。
数学的な「等しい」ではなく
左辺に右辺を代入しているから
「=」は「←」のイメージを持とう!
【手作業:セルを削除して上に詰める】
- スロー再生: 「A1セルを」「削除する」
- VBA(パターン②):
Range("A1").Delete
【実務比較:手作業 vs VBA】
- 手作業: セルを選んで右クリック、削除を選択、上に詰めるを選択してOK。
- VBA:
Range("A1").Delete
複雑なメニュー操作も、VBAなら「どこの・何をする」という短い文章1つで完結します。
専門用語は「たとえ話」で聞き流そう!
本やネットで調べると、必ず「オブジェクト」「プロパティ」「メソッド」という言葉が出てきます。アレルギーが出そうな名前ですが、こう読み替えてください。
- オブジェクト = 「もの(名詞)」 (例:セル、シート、ブック)
- プロパティ = 「特徴・状態(形容詞)」 (例:値、色、幅、名前)
- メソッド = 「動き(動詞)」 (例:選ぶ、消す、印刷する、コピーする)
「もの(名詞)」の「特徴(形容詞)」を変えるのか、「もの(名詞)」を「動かす(動詞)」のか。
これだけのことです。
難しい言葉に惑わされず、「これは名詞かな?動詞かな?」と考えるだけで十分です。

捉え方を変えるだけで
理解しやすくなるよ!
僕もこの考え方にしてから
頭にスッと入ってきたよ。
スペルミスを防ぐ「ヒント機能」を使い倒せ!
「.(ドット)」の後に続く言葉を全部覚える必要はありません。
VBE(VBAの画面)でドットを打った瞬間に
その後に使える言葉のリストが自動でパッと表示されます。
これを「インテリセンス(自動メンバー表示)」と呼びます。
- リストが出れば、その前の「Range(“A1”)」が正しいという証拠!
- リストから選べば、スペルミスがゼロになる!

無理して全てて入力してスペルミスのエラーを出すくらいなら、インテリセンスを活用した方が楽だよ!
最初は「Range」を「Ramge」とかって書いちゃってエラー出してたんだ。
行数の多いマクロだと見つけるの大変だったなぁ…
今回のクエストを終えて
- 「.(ドット)」は日本語の「の」と訳す!
- 「どこの(オブジェクト)・何を(プロパティ)」か「何をする(メソッド)」の3択。
- 専門用語は「名詞・形容詞・動詞」と読み替えれば怖くない。
- ドットを打ってからリストで選ぶのが、エラーを出さないコツ!
これで、VBAの文章の構造が理解できましたね。
次回は、さらに「ミスを減らす」ための見た目の整え方、「インデント(字下げ)」と「コメント(メモ)」について解説します。
「自分は絶対にミスをしない」という人ほど陥りやすい罠。
それを回避する書き方を伝授しますよ!




コメント