「VBAを勉強し始めたけど、英単語の羅列を見て頭が痛くなってきた…」
「一生懸命作ったマクロなのに、ちょっとデータが変わっただけで動かない…」
「マクロ作成したいけど何から手をつけていいか分からない…」
そんな悩み、実は「書き方」を知る前の「考え方」で解決できるんです!
多くの人がVBAを「難しいプログラミング」と捉えすぎて、技術を詰め込もうとして挫折してしまいます。でも、実務で必要なのは難しい構文を暗記することではありません。
今回は、私が数々のツールを作ってきた経験からたどり着いた、
「最低限の学習で最大の成果を出す6つの心得」を伝授します。
暗記の必要がないと分かれば、気楽にVBAと向き合えるでしょう!
この記事を読み終える頃には、「VBAって意外とシンプルなんだ!」と思えます。

VBA作成の6つのコツ

鉄則1:マクロは必ず「逆算」で考える
いきなりVBAの画面(VBE)を開いて、1行目からコードを書き始めてはいけません。
これをやると途中で「あれ、次は何をすればいいんだっけ?」と迷子になります。
まずは「どんな結果(ゴール)が欲しいか」を、日本語で明確にしましょう。
- ゴールを決める: 「ボタンを押したら、データを集計してPDFで保存する」
- 手順を書き出す: そのために必要な「手作業のステップ」をメモ帳などに書く。
- VBAに変換する: その手順を1つずつ「VBAの言葉」に置き換えていく。

僕はいきなりVBAを書くと混乱するからやらないよ!
紙にやりたいことを書いて
あとは達成するために必要な機能を書き出したよ。
「別ブックを開く→本ブックへ転記→別ブックを保存して閉じる→1枚のシートにまとめる→印刷」みたいな感じ!
慣れてきたら紙は使わずに、VBEのコメント機能を使ってたよ!
鉄則4にコメントのやり方を説明するね。
鉄則2:自分の「一挙手一投足」をスロー再生する
私が一番大切にしている心得がこれです。
VBAのコードを書くときは、プログラミングをしていると思わずに
「自分はマウスでどこをクリックした?」「次に何を打った?」と
自分の動きを実況中継するように思い浮かべてみてください。
たとえば、「表の最後にデータを入力する」という作業。
- 手作業の分解:
「一番下のデータがある行」を探す → 「その1つ下の行」を選択→ 「データ」を入力
VBAのコードは、この分解した手順をそのまま言葉に直しただけのものです。
「手作業でできないことは、VBAでもできない」。
逆に言えば、手作業の手順さえハッキリしていれば、マクロはもう半分完成したようなものです。「コーディング」とは、あなたの代わりを務める「身代わりロボット」に、身振り手振りでやり方を教えることだと思ってください。

VBAがLevel5なのは
Level1から4までの内容をVBAで指示するからだよ。
自分でLevel1〜4を手作業でできるなら
VBAは怖くない!
自分の仕事を1つずつ分解すれば
日常業務をVBAで表現できるよ!

鉄則3:こまめにマクロの動作確認をする
マクロ作成をしているとエラーは必ず発生します。
エラーが出ても修正すればいいだけなので安心して欲しいですが、1つ問題があります。
問題:どのタイミングでエラーに気づくか
エラーに気づくタイミング次第で、修正作業の難易度が大きく変わります。
例えば、1から100まで完成してから初めてエラーに気づいた場合
エラーの原因が「何個あるのか」「どこにあるか」特定することが面倒になります。
そこで重要なことは
・1つの役割完成ごとに動作確認
エラー範囲は「今完成したパートのどこか」とすぐに予想がつきます。
あとは範囲内でエラー内容を探しましょう。

全部完成した後にエラーに気づいたら
どの行を書いたときにミスしたか分からないんだ。
作成した時間と同じくらい修正に時間を取られたことがあるよ。
なのでマクロ作成は
できる限り1つの役割が完成するたびに起動させよう!
鉄則4:「3ヶ月後の自分」は他人だと思え
VBAを書いている最中は、自分が何をしているか完璧に理解しているつもりです。
でも、3ヶ月経つと自分でも何を書いたかさっぱり忘れます。
ましてや、他の人があなたの書いたコードを見たら、もう迷宮入りです。
- 対策: 「何をしているか」を日本語でメモする(コメント機能)
- 意識: 誰が見ても意味がわかる名前にする
VBAのコードの中に、シングルクォーテーション(’)を打つと、その行はメモとして残せます。

「未来の自分や、引き継ぐ同僚への手紙」を書くつもりで、お節介なくらいメモを残しましょう。
これが後のエラー修正(デバッグ)であなたを救ってくれます。

コメント機能を利用せずにコーディングするのはダメ!
- コーディング前の作成手順を残す(鉄則1)
- パートごとの役割が分かるようにできる
- 複雑な仕掛けの内容説明
など後で見返したときの思い出すきっかけになるんだ。
鉄則5:「暗記」は一切しなくていい
「VBAの命令文(英単語)を全部暗記しないとマクロは書けない」
というのは大きな間違いです。断言します。
暗記は1ミリも必要ありません。
- わからなければネットで検索すればいい
- 過去に自分が書いたコードを使い回し(コピペ)すればいい
- 自分の操作をエクセルに「マクロの記録」で教えてもらえばいい
プロのエンジニアも、実は毎日Googleで検索しながら仕事をしています。
「コードを知っていること」よりも、「調べて利用する力」こそが、本当の実力です。

使いまくって暗記しちゃうことはあるよ。
でも僕は
「こんな感じの機能があったはず」
って大まかな覚え方が大半だよ!
大切なのは「さっさと仕事を終わらせる」
鉄則6:エクセルの「基本機能」をリスペクトする
「マクロを使えば何でもできる!」と意気込んで、
計算や見た目の装飾まで全てVBAでやりたくなるでしょう。
やりたくなる気持ちは分かりますが、不要です。
これをやるとコードがムダに長くなり、動作も重くなります。
当然、コーディングにかかる時間も長くなってしまい、ムダがたくさん生まれます。
全てをVBAだけで処理せず
Level1〜4の関数などを組み合わせて自動化をしましょう。
- 計算: セルの関数(SUM、VLOOKUPなど)に任せる
- 見た目: 条件付き書式を使う
- VBAの役割: それらを「ボタン一つで実行させる」司令塔にする
VBAは、エクセルの強力な基本機能を束ねるリーダー役にするのが最も賢い使い方です。
エクセル自身が得意なことはエクセルに任せ、人間が面倒な「操作の繰り返し」だけをVBAに担当させましょう。

VBAだけで処理するのは逆に非効率!
今まで学習した知識をフル活用してこそ
暗記を最小限にできるよ!
今回のクエストを終えて
- ゴールから逆算して「日本語の手順書」を作る
- 自分の手作業を1つ1つ分解して言語化する
- こまめにマクロの動作確認をする
- 「未来の自分」のために日本語のメモを残す
- 暗記せず、ネットや記録機能をカンニングする
- エクセルの関数や便利な機能と共存させる
この5つの鉄則を胸に刻んでおくだけで、あなたのVBA習得スピードは劇的に変わります。
テクニックを学ぶ前に、この「ラクをするための考え方」を忘れないでくださいね。
次回はいよいよ、マクロを書くための第一歩、「開発環境の準備(VBEの設定)」に入ります。
ここでも「暗記ゼロ」でいける仕掛けを用意しているので、楽しみにしていてください!




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